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2005年4月1日から個人情報保護法が全面施行されました。ヘルスケア関連団体にとりましても、5,000人を超える個人データを6ヶ月以上保有している団体に関しましては、「個人情報取扱事業者」として、この法律を遵守する義務が生じます。また、たとえ5,000人を超えない場合でも、団体の事務局が会員等の情報をこの法律に準拠して運営することは、社会的にも高い信頼を得ることにつながるかもしれません。今回から6回シリーズで、「個人情報保護法」について取り上げていきます。
1980年にOECD(Organization for Economic Cooperation and Development:経済協力開発機構)が個人情報の保護について、図1のように8つの原則を定めました。個人情報保護法(以下、保護法)の立法化の要因のひとつにはこの原則があり、保護法では、その原則が基本的に盛り込まれています。
上にみたOECDガイドラインは次の8つの原則をうたっています。図2は保護法の構成です。個人情報を取り扱う事業者には、基本的には第四章が大きく関係します。保護法とは別に行政機関が保有する個人情報の保護については、別の法律があります。したがって保護法というのは、基本的には、民間部門を対象としている法律で、国や地方公共団体、独立行政法人等は対象とはしていません。
このようにOECDガイドライン等を考慮して、プライバシーや自己情報コントロール権といった個人の権利利益の保護を目的とした個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)が2003年5月23日に衆議院で可決され、同年5月30日に公布されました。まず、本人から個人情報を入手するときは適正な方法で取得し、本人から事業者がどういうデータを持っているかを照会を受けた場合には、そのデータを開示する義務があります。今までは、保持している個人に関するデータを開示する義務はありませんでしたが、この法律によって一定の事業者は個人情報を含んだデータに関して、本人から請求があった場合には開示する義務を負います。開示等の求めというのは、開示したものに誤りがあったり、適正な方法で取得したものでなかった場合に、本人の要求により訂正および削除する義務を含みます。 さらに事業者が個人情報を入手するときには、利用目的による制限があります。何のために使うのかをなるべく具体的に特定することが求められます。 保護法の施行前の慣行との違いで大きなことは、「第三者提供の制限」があることです。従来は、クレジットカード会社、その他の金融機関等の第三者に個人データを提供するときには本人の同意を取得しなくてもすみましたが、保護法では基本的に同意の取得が必要になります。
個人情報取扱事業者の義務の柱は、利用目的を明確にして、その範囲内で個人情報を取扱うこと、利用目的からかけはなれた取扱いを行う場合はあらためて本人の同意を得ること、そして、個人情報の処理に伴う適切な安全管理を図るということにあります。より具体的には、(1)利用目的による制限、(2)適正な取得、(3)正確性の確保、(4)安全の確保、(5)透明性の確保のための義務にからなり、図示すると上のようになります。以下では、この法律の内容を理解するために必要不可欠ないくつかの定義について触れた後、これら個人情報取扱事業者の義務のそれぞれについて、順を追って、概説させていただきます。
個人情報の保護に関する現在の日本の法律の枠組みは、保護法と民法の2本柱です。保護法の役割は、あくまでも「個人情報を一定のルールに従って取り扱いなさい」というもので、言ってみれば道路交通法のようなものです。一方民法は、損害賠償に関する部分を担っています。民法709条は、「故意または過失により他人に損害を加えた場合には、それによって本人が被った損害を賠償しなさい」という趣旨のことを記載しており、個人情報の漏洩などにより個人に損害を与えた場合には、この規定によって損賠賠償責任が発生することになります。
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