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1日本では、国民は何らかの公的医療保険に加入し、公的医療保険から検査や治療の費用が支払われ、患者も費用の一部を負担しています。この「保険診療」に対して、保険で給付されない治療を行うことを「保険外診療」といいます。そして、「保険診療」と「保険外診療」をいっしょに実施することを「混合診療」といい、現在の医療制度では原則として禁止されています。このため、診療の一部に保険外診療(自由診療とも呼ばれます)を組み込んだ場合には、本来保険でまかなわれる部分も保険外診療と見なされ、患者が全額治療費を支払う必要があります。
混合診療の例外を認めるため、1984年には「特定療養費制度」(「高度先進医療」と「選定療養(患者の選択による医療)」があります)が導入されました。この制度で特に認められた診療行為については、一部保険外診療を組み込んだ場合にも、保険診療にあたる部分は保険による費用の支払いが認められます。
政府の規制改革・民間開放推進会議は、患者の多様なニーズや医療技術の進歩に対応するには不十分として「混合診療の全面解禁」を主張してきました。これに対して厚生労働省や日本医師会は、結果的に新しい技術や薬が健康保険に導入されなくなるという懸念から、費用負担できる人しか必要な医療が受けられず、国民医療に不平等を引き起こすといった理由で反対を表明してきました。また、無制限に自由診療との組み合わせを認めると不必要な治療が上乗せされるなどして不当な患者負担の増大を招いたり、有効性や安全性が不明な薬が使用される恐れがあるとも指摘してきました。
混合診療について厚労省は基本的には特定療養費制度の拡充で対応するとしており、関係する中央社会保険医療協議会において、現行の特定療養費制度見直しの検討を行ってきました。その結果、平成16年12月に厚労省と規制改革担当相が基本合意し、混合診療問題の対応策を2段階で進めることを確認しました。第一段階では現行制度の枠組みの中で特定療養費制度を拡充し、第二段階では現行制度について法制度上の整備を行い、平成18年の通常国会に提出を予定している医療保険制度全般にわたる改革法案の中で対応する、としています。
保険外の負担のあり方を見直し、患者の要望に迅速にかつ適切に対応することを目指したものですが、制度の実効性について、今後の改革の行方に期待したいところです。
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