<VHO-net Report>

2017年2月4日 第2回交流学習会
医療者と患者が「ともに生きる」道を探る交流学習会を開催

2月4日、東京のファイザー株式会社 アポロラーニングセンターにてヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)交流学習会が行われました。これは、地域を越えて交流の機会を増やし、それぞれの疾病や障がいの枠を越えたテーマの講演や議論を通して多くの気づきを得ていくことを目的とするもので、昨年に引き続き、2回目の開催となりました。
交流と学びの場として講演と討議を実施

交流学習会では、まず、社会福祉法人 三井記念病院 院長の高本眞一さんが「患者とともに生きる」をテーマに講演を行いました。高本さんには患者の家族としての経験があり、患者と医療者が「ともに生きる」ことについて、患者に伝えたい医師の本心などを語りました。

講演を受けてグループディスカッションが行われ、グループ発表では次のような意見や感想が紹介されました。

■医療者側も問題を抱えていることを知り、共通していることに気づいた。
■医師も患者に救われるという言葉が印象的だった。
■サーバントリーダーシップは、異なる意見をまとめるときに役立つのではないか。組織づくりに活かせるのではないか。
■「ともに生きる」ためにはお互いの理解が大切。すべて理解し合うことは難しいが、知ることや想像することはできるのではないか。
■患者自身も治療チームの一員として、医療者に任せきりではなく努力する必要がある。
■患者を中心としたチーム医療が広がってほしい。

医療者と患者のより良い関係を模索

高本さんは総評として「ともに生きるとはどういうことか、一人ひとりが考えるようにしたい。パーフェクトにできるわけではないが、そうありたいと考えることが大切ではないか。私もさらに追求したいし、みなさんも一緒に追求していってほしい。結論はなかなか出ないだろうが、考えることで人生が豊かになるのではないかと思っている」と述べました。

交流学習会の進行役を務めた松下年子さん(中央世話人、横浜市立大学 教授)は、「患者と医療者が100パーセント理解し合うのは難しいが、難しいからこそ、お互いに歩み寄り理解しようと努力することが大切。『患者と作る医学の教科書』の発行など、VHO-netの活動で医療者が患者を理解する仕組みができた。これからは社会へも理解を広げていきたい。高本先生は活動に役立つさまざまなキーワードを示唆してくださり、貴重な講演だった。濃密な討議もでき、参加者のみなさんにとって、ひとりの人間として、また団体のリーダーとして有意義な学習会になったと思う」と述べました。

学習会後には懇親会が開かれ、各地から集まった参加者たちが和やかに親交を深める姿も見られました。多くの学びを得て、つながることの大切さを再確認した交流学習会となったようです。

「患者とともに生きる」〜高本さんの講演より〜

病気の治療は山登りのようなものであり、医師は良きガイドとして、患者とともに歩まなければならない。「ともに生きる医療」とは、患者も医療チームの一員として自らも治療に責任をもって、みなのチームワークで行う医療。より良いチームワークのために、喜んでチームの中の他人のために犠牲的精神を発揮できるサーバントリーダーシップが必要である。

「ともに生きる」とは、生命をもつその人を大切にし、その人の能力を最大限に引き出し、悲しみも喜びもともにすること。そこに生きる意味(希望)があるのではないだろうか。お互いに尊敬し合う生き方は、旧来の資本主義、個人主義に代わりうる生き方になるかもしれない。世の中を動かし良い社会にするためには、失敗を恐れないことと、ミッション(信念)、パッション(情熱)、アクション(行動)が必要。ともに生きる気持ちがあれば、もっと良い社会になるのではないかと思う。

※サーバントリーダーシップ:

「リーダーはまず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というロバート・グリーンリーフが提唱したリーダーシップ哲学