<情報コーナー>

よくある質問と用語解説
難病法 経過措置終了後の医療費助成制度について

難病患者の医療費助成の仕組みが一部変わったことをご存知ですか。

2015年1月に始まった「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」による「指定難病患者への医療費助成制度」において、旧制度である特定疾患治療研究事業から継続して医療費助成を受けている人に対する3年間の経過措置が、2017年12月31日をもって期間終了となりました。自己負担上限額が変わった人や、軽症と判断され医療費助成対象外となった人も多いため、「新しい制度が複雑でよくわからない」「どうして自己負担額が増えたのか」などの不安や疑問が患者団体などにも寄せられているようです。そこで、森幸子さん((一社)日本難病・疾病団体協議会代表理事)のご協力を得て、患者さんの「よくある質問」を取り上げて解説します。なお、わかりやすくするために、厚生労働省発表資料等から一部簡略化して解説していますのでご了承ください。

⇒詳細は、厚生労働省ホームページを参照してください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nanbyou/


よくある質問集

今まで5千円だった自己負担額が、急に1万円に。どうして?

質問者の自己負担上限額は難病法では本来1万円で、2015年からの3年間は経過措置により自己負担は5千円でした。しかし、経過措置が終わったので1万円が適用になったと考えられます。

どんな患者が、医療費助成を受けられるの?

指定難病と診断され、重症度分類等に照らし合わせた病状の程度が一定程度以上の人です。ただし軽症者にも医療費が高額の場合は救済措置(軽症高額該当)があります。

申請手続きの書類が多くてよくわからない。どこに相談したらいいの?

居住する自治体の行政窓口や保健所、難病相談支援センターに相談しましょう。保健師などがサポートしてくれます。

自己負担額の上限に達したので、管理票はもう書かないと医師に言われた

上限額に達したあとの自己負担上限額管理票への記載は患者が希望した場合に行うとなっているため、記載をやめる指定医療機関も多いようです。しかし、特例措置(高額かつ長期)に当てはまることもあるので、継続しての記入を依頼しましょう。

医療費助成の申請を却下され難病を証明する受給者証がなくなった

軽症との判断で却下された場合の通知書に疾患名が記載されることになり、福祉サービスや就労支援の際、指定難病であることの証明として使用できるようになりました。通知書に疾患名が記載されていない場合は、行政窓口に問い合わせ、疾患名の記載を依頼しましょう。

同じ病気で重症度等も同じなのに、隣県の人と手続きが違う

厚労省の概要に沿って、各自治体で詳細を決めたため、自己負担上限額管理票の様式や、申請後の支給開始時期、特例措置の申請時に必要な書類などが異なる場合があります。不明な点は必ず居住地域の行政窓口や保健所に相談しましょう。

軽症で却下(不承認)になったら、もう助成は受けられないの?

総医療費が33,330円(自己負担が3割負担で約1万円の場合)を超える月が1年以内に3回以上になった場合、すぐに「軽症高額該当」の申請をすれば助成が受けられます。再申請が1年以内であれば、臨床調査個人票を再度書いてもらう必要はありません。こうした場合のために医療費の領収書、明細書は必ず保管しておきましょう。

軽症で却下(不承認)になったが、病状が悪化したらどうしたらいいの?

病状が悪化した場合は、重症化しないようにすぐに受診しましょう。症状が中等症以上と診断された場合は、医療費に関係なく助成対象になりますので申請してください。

自己負担額の階層区分は何で決まるの?

基準となるのは、市区町村民税(住民税)の金額です。就労している場合は、年末調整後に、勤務先で発行される源泉徴収票の市区町村民税額を確認しましょう。

特定医療費の対象になるのは医療費だけ?

特定医療費は受給者証に記載された疾病によっておこる傷病に対する治療に限られますが、医療費だけでなく指定医療機関での訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、介護療養施設サービスも、特定医療費助成の対象となります。

患者もよく理解しておきたい「医療費助成制度」

一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会(JPA)代表理事 森 幸子 さん

難病法による医療費助成制度においては、将来にわたって持続可能な公平・安定的な仕組みとし、他の公費負担医療制度との公平性を図るために、重症度と生活の状態を照らし合わせた重症度分類等による自己負担額が決定されました。
JPAでは、制度の谷間となり必要な助成が受けられない人が生じないように、軽症者登録制度や軽症者への登録証発行を厚労省に要望してきました。登録証の発行は認められませんでしたが、軽症となり医療費助成を受けられなかった人には、通知書に指定難病の疾病名を記載し登録証に代わるものとすることや、臨床調査個人票の有効期限の延長(3ヶ月から12ヶ月に)が実現しました。これからも制度の充実に向けて活動を続けていきます。患者の皆さんも患者団体などを通して正確な情報を得て、不安や疑問は難病相談支援センターや保健所に相談し、適切な医療費助成を受けられるようにしていただきたいと思います。

難病法による医療費助成にかかわる 用語解説

指定難病

「発病の機構が明らかでなく」「治療方法が確立していない」「希少な疾病であって」「長期の療養を必要とする」という条件を満たした難病のうち、厚生労働大臣が指定した疾病。

既認定者

2014年12月末までに特定疾患治療研究事業(旧事業)による医療費の支給対象となっていた人。2015年1月1日以降も継続して療養の継続が必要とされる人には、急な自己負担増に対する緩和措置として、2017年12月31日まで経過措置が行われていた。

新規認定者

2015年1月1日以降に医療費助成が認定された人。特定医療費の受給者。

特定医療費

指定難病(受給者証に記載された疾病)によっておこる傷病に対する医療費。

軽症高額該当

特定医療費の支給認定の要件である重症度分類等を満たさなくても、高額な医療を継続することが必要な場合、特例として医療費助成の対象となること。月ごとの医療費総額が33,330 円を超える月が年間3回以上ある場合、軽症者であっても医療費助成の対象となる。

高額かつ長期

特定医療費の受給者のうち、所得の階層区分について一般所得Ⅰ(課税世帯)以上で月ごとの医療費総額が5万円を超える月が年間6 回以上ある場合、月額の医療費の自己負担が軽減される。

重症度分類

個々の指定難病の特性に応じ、日常生活または社会生活に支障があると医学的に判断する基準。一定程度以上のものは支給認定となる。

自己負担額管理票

特定医療にかかる自己負担額や医療費総額を指定医療機関にて記載し、月ごとに合算し(入院・外来も含めて)、管理するための票。指定医療機関(病院、診療所、保険薬局、訪問看護等)において、対象の医療を受けた場合は、その月の特定医療にかかる自己負担額を合算していき、自己負担上限額(月額)に達した時は、それ以上の自己負担はなくなる。

指定難病医療受給証

都道府県に認定された場合に交付される特定医療費受給者証のこと。受給者証の「疾病名」欄に記載された疾病(およびその疾病に関連するとされる傷病)について保険診療を受けた場合に使える。

臨床調査個人票

都道府県による難病指定医が作成する指定難病に対する診断書。

支給認定の手続きについて 指定難病と診断され、病状の程度が一定程度以上である場合支給認定されます。病状の程度が一定程度以上でなくても,
	軽症高額該当基準に該当する場合に指定難病審査会によって支給認定される場合もあります。