<活動レポート>

活動紹介 第45回(2017)

地域でのネットワークを広げ、情報やノウハウを共有し活動を充実させていこうとする、各地での取り組みをレポート

第37回 関東学習会 in 東京 (2017年5月14日)

学習会の原点に戻りお互いの活動を知って、課題を共有する

第37回 関東学習会のようす1月19日、札幌市の北海道難病センターで第9回北海道学習会が開催されました。今回は「リーダーの悩みを分かち合おう」をテーマに、ヘルスケア関連団体として活動するうえでの課題や悩みを共有することを目的とした学習会となりました。

グループディスカッションでは、運営費の不足、会員の高齢化、新会員の減少などが多くの団体に共通する課題であることを確認。その中で、子どもを対象とした団体では成長した患児を取り巻く環境整備や就労支援、また、遺伝性疾患の団体では本人への告知などが重要な課題となっていること、そして、全国組織の団体では会員の高齢化や減少に伴い、特に地方での活動の活性化が共通する課題となっていることがわかりました。

質疑応答も活発に行われ、共通する課題や悩みを共有。問題解決に向けて関東学習会でも取り組んでいくことを確認し、改めてお互いを知り合う有意義な集まりとなったようです。

第38回 関東学習会 in 東京 (2017年7月22日)

講演とグループワークを通し「リーダー」について改めて考える

第38回 関東学習会のようす7月22日、東京のファイザー株式会社で、第38回関東学習会が開催されました。今回は、昨年のVHO-netワークショップのテーマであった「リーダー」についての講演とグループ討論を行い、自らの〝リーダーのあり方〞を考える機会にしようという主旨の学習会で、まず運営委員の山谷佳子さん(国立がん研究センター 研究員)がワークショップの概略を紹介し、次に、2名のメンバーによる講演が行われました。

山内京子さん(つばめの会 代表)は、団体の活動とリーダーとして心がけていることについて講演。まだ医学的な研究も進んでいない分野で会員数も少なく、しかも多くの保護者は子どもの介護や育児に追われる中で、役割分担をしながら活動を進めている様子を紹介し、この障がいに対する社会の認知度を高めていきたいと述べました。

大木里美さん(中枢性尿崩症の会 副代表)は、「私の目指す・考えるリーダーとはナレッジ・ブローカー(知識の仲介者)である」というテーマで講演。大木さんはVHO-netなどを通して多様なリーダーを知り、〝優れたリーダーの共通点は、団体の枠を越えた越境活動と、本人がナレッジ・ブローカーであること〞に気づき、自分でも実践してきたこと、その結果幅広い人脈を得て新しい活動にも取り組めるようになったことなどを紹介しました。

その後、講演を受けてのグループ討論が行われ、まとめ発表では「団体の成長とともにリーダーに求められるものも変わる」「できることは役割分担し、リーダーだからこそできることを引き受ける」「みながリーダーを経験すると、団体として成長する」「トップを設けず集団運営している若い世代の団体もある」「多様なタイプのリーダーがいて良いのではないか」「リーダー後継者の育成は共通の課題」などの意見が紹介されました。〝リーダーのあり方〞という、とても身近で重要なテーマでの学習会は、熱のこもった話し合いの場となったようです。

第16回 東海学習会 in 名古屋 (2017年6月3日)

地元情報を集めて共有していくために施設選びの条件やニーズについて項目を出し合い検討する

第37回 関東学習会のようす第16回東海学習会が名古屋市の愛知県産業労働センター ウインクあいちで開催されました。

テーマは「『つながろう地元、ほりおこそう地元』〜立場を越えたピアサポートと住みやすい地域づくりを考えよう〜」です。まず、自分たちの疾患と活動を伝えることを目的に、神経難病の患者団体が模擬発表を行いました。疾患の説明、当事者と家族では病気に対する受容や治療方針などで考え方が異なること、患者団体を知ったことで話を聞いてもらえる場ができ安心感を得た体験などが語られました。

昼食をはさみ、午後からは昨年の第14回学習会に続き「東海学習会エリアの地元情報を集めよう Part2」として、4班に分かれグループワークを行いました。今回は施設編として、団体の活動で利用する施設を選ぶ条件やニーズを付箋に書き出し、その理由について話し合い、カテゴリーに分けて整理。申し込み方法(予約時期・申し込みの時間帯・ウェブ対応など)、アクセス(電車や車での利便性、だれもが参加しやすい立地)、バリアフリー、料金などについて多彩な項目が挙がりました。そして疾患や患者の年齢によるニーズの違い(たとえば音楽演奏や調理・飲食が可能か、近隣に観光施設などがあると家族で参加しやすい)などが挙げられ、開催する会の目的に応じて、選ぶ施設の条件も変わってくることなどを確認しました。

東海学習会ではそれぞれがもっている情報を共有していくために今後も話し合い、将来的には地元情報のデータベース化を目指したいと考えています。

第30回 東北学習会 in 仙台 (2017年6月24日)

社会資源の活用と当事者や家族のサポートをテーマに講演とグループワークを行う

第30回 東北学習会のようす6月24日、仙台市シルバーセンターで、第30回東北学習会が「社会資源の活用と、当事者や家族のサポート」をテーマとして開催されました。

まず、櫻井理さん(日本筋ジストロフィー協会 宮城県支部)が、「筋ジスを生きる〜よりよく・共に・全力で」のタイトルで、難病と向き合いながら生きてきた道のり、東日本大震災の経験、共生社会の実現に向けて当事者が主体的に動ける社会を目指す活動について講演。介護者である家族のサポートとして、レスパイト入院※やデイサービスセンターなど自らの社会資源の活用についても言及しました。「障がいがあっても社会参加はできる。より良い社会をつくるために努力したい」と、人工呼吸器を使いながらもIT技術を活用することによって社会への発信を続け、支援の受け手から担い手となり、社会貢献を実現していきたいという櫻井さんの話を一同、熱心に聞き入りました。

次に、講演の感想や社会資源の活用、当事者と家族のサポートをテーマにグループワークを実施。まとめ発表では「情報共有が重要」「患者団体がつながり、ワンボイスで社会にアピールすることが必要」「ITのスキルがあれば情報発信や自己表現ができる」「当事者が社会の中で自然に生活できるような施設をつくりたい」「社会に参加できるように成長していきたい」「行政の現場でも、総合診療科のようなトータルな支援ができる部署や人材の育成を望みたい」などの意見が紹介されました。櫻井さんの生き方や活動に「感動した」「勇気をもらった」といった感想も多く、また今回の学習会について「さまざまな立場の人と話し合うことで、新しい気づきやつながりが生まれることを改めて実感した」という声もありました。

社会資源の活用をテーマに学習を続けてきた東北学習会。今回は、患者団体や当事者そのものも社会資源であるという視点で、櫻井さんの実践や、また当事者を支える家族や支援者の視点を学ぶことができ、有意義な学びの場となったようです。

※レスパイト入院:医学的管理や処置を在宅で受けている患者を対象に医療保険で入院を受け入れる制度。

第10回 北海道学習会 in 札幌 (2017年7月1日)

リーダーの悩みや活動の課題の共有を目的に講演とグループワークを行う

第10回 北海道学習会のようす7月1日、札幌市の北海道難病センターで第10回北海道学習会が開催されました。

まず今田雅子さん(北のポリオの会)が、「私の体験、VHO-netへの思い」をテーマに講演を行い、当事者としての道のりや、道内の患者に呼びかけて団体を結成した経緯、リーダーとしての悩み、そしてVHO-netとのかかわりなどを語りました。今田さんは、情報交換や同じ悩みを語り合うことを目的とした取り組みから、次第に活動の幅が広がり、札幌市の障がい者によるまちづくりサポーター制度の委員の経験も経て「合理的配慮などに自分たちの体験を活かし社会に役立ちたいと考えるようになった」と、これまでの歩みを振り返りました。そして、北海道学習会やVHO-netの活動を通じて、今後の活動のヒントも得ていきたいと語りました。

講演を受けてのグループワークでは、参加者それぞれの団体の活動や、リーダーとしての課題や悩み、北海道学習会をどのように育てていくかなどの意見交換が行われました。まとめ発表では「相談を受けている立場の人が多いので、対応に困った事例を話し合う時間もほしい」「医療関係者や支援者などの参加も促していこう」「有意義なテーマを設定して、充実した学習会にしたい」「VHO-netの活動指針をしっかり確認したい」「ほかの地域学習会の良いところを見習っていきたい」などの意見が紹介されました。また北海道学習会に参加して「多様な意見が聞けて勉強になった」「人と人とのつながりが広がった」といった感想も述べられました。

昨年、運営委員の増田靖子さん(北海道脊柱靱帯骨化症友の会)を中心に、活動を再開した北海道学習会。今回は、初参加の団体もあり、グループワークでも活発な話し合いが行われました。昼食をとりながら和やかな雰囲気の中で、講演の感想や、共通する悩みを語り合う場面もあり、北海道で活動する団体リーダー同士の〝仲間意識〞が醸成された集まりとなったようです。

第39回 関西学習会 in 大阪 (2017年7月8日)

模擬講演、質疑応答患者講演者情報リストの活用法など拡大学習会で検討を行う

第39回 関西学習会のようす大阪府社会福祉会館において、第39回関西学習会が午前・午後にわたる拡大学習会として開催されました。

午前は、若年性特発性関節炎の患者でもある大阪医科大学附属病院医療ソーシャルワーカー、三宅沙紀さんの模擬講演が行われました。現在、寛解状態の沙紀さんが、「病気と過ごした14年を振り返って」と題し40分間の講演を行いました。中学1年生で発症し、鞄も鉛筆も持てなくなり、母親や教師の援助で学校生活を続けてきたこと、さらに高校1年生で線維筋痛症を発症。家族に支えられての寝たきり生活、病状の波が激しく周囲からの理解が得られない辛さ、そんな中で寄り添ってくれた方々からの声かけが励みになったこと。就職活動では社会福祉士を目指し、病気だからこそ理解できることを訴えたと語りました。

総合評価として、「リードが巧みで効果的、病状や薬の説明もわかりやすく、話し方についても学ぶところが多かった」「冷静に自己分析し伝えたいことがわかりやすかった」などが挙げられました。

午後からは、制作を進めてきた患者講演者情報リストの活用を広めるため、関西学習会登録団体による合同講演会の企画が検討されました。保健所や難病相談・支援センター、大学などへの声かけの際に提示する企画書に盛り込む事業の内容・活動の理念・社会的意義・対象などを、参加者全員で検討し、具体的イメージを共有しました。また、合同講演会が実現したら、動画をVHO-netのホームページにアップしてはどうかといった意見も出ました。最後に、各団体の情報交換と助成金申請の事例なども報告され、中身の濃い1日となりました。

第31回 沖縄学習会 in 那覇 (2017年7月9日)

検討してきたピアサポートの相談事例をロールプレイを通して考察し、共有する

第31回 沖縄学習会のようす第31回沖縄学習会が那覇市保健所で開催されました。

今回は、沖縄学習会がこの3年間取り組んできたピアサポートの相談事例から1事例をピックアップし、ロールプレイ(役割演技)を行いました。テーマは「友人 ? ピアサポーター ? 私はどっち ? 」。演者は、相談者・ピアサポーター(以下、PS)・患者団体代表の3名で、用意したシナリオに沿って演じられました。PSとは友人でもある相談者が、主治医への不満や自己判断で薬を服用していないことを語り、PSは症状が進行しているように見えたため、疾患について詳しい患者団体代表を紹介し、後日3人で会う。その日以来、相談者からPSに 「あなたが答えてよ。友だちでしょ」という苦情の電話が頻繁にかかってくるようになったというストーリーです。これについて、「友だちだから賛同してほしかったのだと思う」「患者団体代表を紹介するのが早すぎたのでは」「支えるためには、わかってくれる人がいるという安心感と、正しい情報を伝えることが大切」「PSが、いつも心配しているよと伝えれば、それは否定でも肯定でもない 。後は本人の自己決定に任せる」「私ならPSとして相談者に謝る」「ほかのPSに代わってもらう。患者団体のピアサポートは個人ではなく団体プレイ。そのためにも交代できる人材づくりを」などさまざまな意見が挙がり、きめ細かく考察されました。これまで文章で検討してきた事例ですが、今回、初めてロールプレイを試みたことで、違う視点での発見もあり、みなでより深く事例を共有することができたようです。その後、各団体が活動発表を行い、情報交換もでき充実した学習会となりました。

第28回 北陸学習会 in 福井 (2017年8月27日)

1型糖尿病患者の講演を通して難病に関する制度や、患者団体からの情報発信のノウハウを検討する

第28回 北陸学習会のようす第28回北陸学習会が、福井市地域交流プラザで開催されました。初めての福井県開催で、初参加団体も含め15名が集いました。テーマは「制度を理解して発信できる団体になろう」です。

午前のVHO-net紹介ビデオや自己紹介を経て、午後は福井県立大学看護福祉学部 助教の陶山克洋さんが、「難病患者の病気との向き合い方〜私の病気 1型糖尿病との向き合い方を振り返り〜」と題して1時間の講演を行いました。国内糖尿病患者の大半を占める2型とは異なり、小児期発症が多く、生涯にわたって毎日数回のインスリン自己注射を続ける治療法などの疾患説明に始まり、13歳で発症した本人がどのようにこの難病を認識していったか、家族の支えや絆の深まりについて語りました。また、今学習会のテーマを踏まえ、難病についての信頼できる情報の収集法、小児慢性特定疾病患者の成人後の問題点なども盛り込み、さらに故郷熊本県での患者団体の設立、福井県で福井ひまわりの会とのかかわりや、両県での合同ウェブ勉強会などの取り組みについての発表が行われました。

その後、3班に分かれてグループワークがスタート。まとめ発表では、「講演からは難病啓発や活動発信での有効なヒントや情報をもらった。できることから取り組みたい」「制度改正に迅速に対応し、最新の情報を会員に提供していきたい」「看護大学などでは患者講師による授業が注目されており、難病理解への裾野を広げる機会になる」「インターネットを活用したSNSなどでの発信は、若い会員にも呼びかけて協力してもらい試してみよう」などの意見や感想が出されました。