<活動レポート>

活動紹介 第44回(2017)

地域でのネットワークを広げ、情報やノウハウを共有し活動を充実させていこうとする、各地での取り組みをレポート

第9回 北海道学習会 in 札幌(2017年1月19日)

北海道特有の課題や団体リーダーの悩みを共有

1月19日、札幌市の北海道難病センターで第9回北海道学習会が開催されました。今回は「リーダーの悩みを分かち合おう」をテーマに、ヘルスケア関連団体として活動するうえでの課題や悩みを共有することを目的とした学習会となりました。

まず、久保田妙子さん(線維筋痛症友の会 北海道支部)が「リーダーの悩み」をテーマに発表を行い、患者の抱える問題や地域の特性、その中で患者団体として活動していく課題などを語りました。

グループワークでは、それぞれの病気の特性や地域の事情にかかわる課題、リーダーとしての悩みについて意見交換を実施。主な意見として、「ポリオは新しく発症する人がいないため会員が増えず、既存会員が高齢化しリーダーのなり手がいない。専門医が少ない中で多様な相談を受けることに不安がある」「線維筋痛症は確定診断がつきにくく、どの診療科を受診するべきかわからず困っている患者が多い」「オストメイトには若い患者も多く、就労や結婚、出産などの悩みに直面しているが、プライバシーを気にして入会しない人が多い」などが挙がりました。どの団体においても「情報を求めるが入会しない人が多く、団体リーダーの負担になっていること」「北海道には医療過疎地域が多く、各分野の専門医も少ないため、適切な医療を受けられない患者が多いこと」が共通する課題とわかり、今後、問題意識を共有していくことを確認しました。

VHO-net事務局からは、ほかの地域学習会の活動や「ピアサポート5か条」の紹介もあり、参加者から「参考にしていきたい」「自らの活動に引き寄せて考えさせられた」との声も聞かれました。降雪により交通アクセスも悪い中で行われた学習会でしたが、共通の悩みや課題をもつ団体リーダーが集まる場として、活動を発展させていくことを改めて確認する場となったようです。

第38回 関西学習会 in 大阪(2017年3月25日)

『「患者・家族が語る」講演のポイント チェックリスト』の補足説明を全員で検討し、より使いやすいものが完成

大阪市のたかつガーデンにおいて、第38回関西学習会が開催されました。。

最初に2月4・5日に行われた、VHO-net交流学習会と地域学習会合同会議の報告、関西学習会の2016年度の活動報告などが発表されました。

今回の学習会では、昨年完成した『「患者・家族が語る」講演のポイント チェックリスト』(まねきねこ44号Focus on参照)の各項目に、補足説明をつけていく作業を行いました。その背景は、関西学習会が取り組んできた模擬講演を、ほかの地域学習会でも行うことが増え、同時に、チェックリストを使いたいという声が多くあったことから、より具体的でわかりやすいものにブラッシュアップしようというものです。あらかじめ運営委員が準備した補足説明案をプロジェクターで見ながら、約3時間かけて検討。文章の変更・追加・削除や例文の追記、 文言の統一などの作業を行い、全員で練り上げていきました。さまざまな意見によって、講演の「依頼時」、原稿作成などの「準備段階」、そして「講演時」に分かれた、より使いやすいチェックリストが完成しました。

その後、並行して進めてきた「関西学習会 患者講演者情報リスト」を、中央世話人会に諮り、承認されればVHO-netのホームページで公開し、情報更新を行っていくことを確認しました。この取り組みをきっかけに、全国の学習会でも患者講演者情報リストが作成されることを期待して、今回の学習会を結びました。

第30回 沖縄学習会 in 沖縄(2017年3月26日)

参加団体を増やす、ニーズに合ったテーマ設定など沖縄学習会活性化のための方針を話し合う

第30回沖縄学習会が那覇市保健所で開催されました。今回は、この3年間で取り組んできたピアサポートの相談事例の検討から、2事例をピックアップし、ロールプレイ演習を行う予定でしたが、参加団体が少なかったため、急遽「沖縄学習会の今後の方針」にテーマを変更しました。

まず、沖縄は1県開催のため、ほかの地域学習会と比べ参加団体が少ないという課題が挙げられました。そこで、県内の患者団体を再調査し、積極的に参加を呼びかけていく必要があるのではないか、専門職や行政関係者の参加を働きかける、これまでは那覇市内での開催がほとんどだったが、中部地域まで拡大できないかなどの意見が出ました。

テーマの設定では、相談の事例検討を掘り下げてきたが、同じようなテーマが続き単調になっていたのではないか、時には、医療・福祉制度などの専門職による講演+グループワークや患者・家族による体験発表+相談事例の検討などの複数のテーマでメリハリをつけていってはどうかなどといった議論がされました。

また、新規参加団体への呼びかけとして、どんな情報がほしいか、どんな課題で困っているかなどのアンケートを実施し、ニーズを調査することも必要なのではないかといった意見も挙がり、運営委員でアンケートを作成し、VHO-netの中央世話人会に諮った後に実施することも検討されました。

参加団体の新規開拓と、テーマの発掘を並行して行っていき、今後の沖縄学習会の活性化につなげていくことになりました。

第27回 北陸学習会 in 石川(2017年4月9日)

「制度を理解して発信できる団体になろう」をテーマに、2団体が事例を発表し、意見を出し合う

第27回北陸学習会が、金沢市の近江町交流プラザで開催されました。

午前は石川県OPLL友の会の大田和子さんが、障害者福祉施設の支援員の職務で赴いたフィジー共和国での視察・研修報告を行いました。昼食をはさんで、北陸学習会の今年度のテーマ「制度を理解して発信できる団体になろう」が、どのような背景で決定したかについて、運営委員から説明がありました。

その後、医療・福祉などの制度を活用し、患者団体が社会に対して何を発信していけるのか、その具体的事例として2団体からの発表がありました。まず、日本ALS協会 富山県支部の織田昌代さんからは、「在宅レスパイト(長時間訪問看護)事業」について、その必要性や支部から協会本部への提案、厚生労働省への要望に入れてもらうための働きかけなどが発表されました。次に、富山IBDの梅沢敏之さんが、IBDネットワークの理事として取り組んだ、「潰瘍性大腸炎ガイドブックの作成を通して」という発表を行いました。一般向けのIBD冊子はあるが、小児IBDでは学校関係者への理解を促せるような冊子がないため、それを製作するための助成金・寄付金制度の活用、作成過程、完成後の課題などについて語りました。

続いて2つの発表を受けてのグループワークへ。これまでの患者団体の活動、それを通して得た成果や課題、次に取り組みたいことを抽出していきました。

まとめ発表では、各県ごとの制度の違い、保健所との普段からの付き合いの大切さ、情報を発信するためのSNSやメールの活用、動画やマンガといった文字以外の伝達方法など、多様な意見やアイデアが出ました。今回の学びをそれぞれの団体での活動に役立てていくことを確認し、学習会を終えました。

第26回 九州学習会 in 熊本(2017年4月22日)

熊本地震から1年。反省と対策を議論し
さらに東日本大震災を経験した東北学習会とのウェブ会議を試みる

第26回九州学習会が熊本県難病相談・支援センターで開催されました。テーマは「災害時の患者会におけるつながり」。昨年の4月に発生した熊本地震から1年が過ぎ、災害時の難病患者の状況、患者団体が担った役割、今後の災害対策について話し合おうというものです。また、VHO-net地域学習会では初の試みとして、東日本大震災を経験した東北学習会のメンバー2名がウェブ会議で参加し、情報交換も行われました。

午前には、熊本難病・疾病団体協議会代表幹事の中山泰男さん、同会副代表幹事の谷口あけみさん 、日本リウマチ友の会 熊本支部の本田千寿子さんの3名による発表が行われました。熊本地震での一次避難所や福祉避難所の状況、地震直後から1年後の現在まで患者団体はどのような活動を行ってきたか、熊本難病・疾病団体協議会が行った「指定難病患者が熊本地震後に困ったこと」に関する調査結果の報告や、自助・共助・公助・互助の考え方などについて、それぞれの団体や立場で分析し、意見を述べました。

発表を受けて、午後からは4班に分かれてのグループワークがスタート。まとめ発表では、災害を想定し常に準備をしておく自助力(たとえば薬の備蓄や要援護者登録の重要性)、患者団体のネットワークの有用性と今後の強化、自治体や地域とのかかわりの大切さなど、反省点や今後の対策として多くの共通項が挙げられました。

東北学習会の参加者からは、震災から6年が経過した災害公営住宅の現状や情報の受発信のノウハウなどが語られました。東北と熊本、それぞれの体験を共有しより良い方策を模索した有意義な学習会となりました。

第13回 四国学習会 in 徳島(2017年4月23日)

模擬講演を通して疾患への理解と患者団体活動の伝え方を討論

第13回四国学習会が、徳島県障がい者交流プラザで開催されました。

今回は、疾患や患者団体の活動を伝えていくための模擬講演をテーマに、徳島肝炎の会の近藤宏さんが「肝炎患者の思うこと」と題して40分間の講演を行いました。講演の対象者を医療系学生(医学・歯学・薬学・コメディカル)に設定し、A型・B型・C型・D型・E型肝炎のそれぞれの原因(ウイルス性肝炎やアルコールに起因するもの)や、急性・慢性などの症状の違いといった疾患説明から、近藤さん自身の病歴・闘病体験、患者団体との出会い、国の肝炎対策とその問題点、患者団体の活動による成果と課題などが、スライドを使って発表されました。

続いて、この発表を受けて、全員での討論を行いました。感想を付箋に書き出し、それをグルーピングして討論する中で、「第1章から5章まで、しっかりと章立てされている構成がわかりやすかった」「総論的で本人が一番主張したいことが伝わってこなかった」「最後に総括ページを作った方が良いのでは」「スライドではデータやイラスト・写真が多用されていてわかりやすかったが、出典を明記した方が良い」といった意見が出されました。

ほかにも、「自分以外の患者の事例を出す場合、配慮が必要なのではないか」という意見も挙がり、また「電話相談などの事例に基づいて集積したデータであり、ほかの事例を提唱できるのは患者団体ならではの役割ではないか」などの討論が行われました。