<クローズアップ>

低身長児・者友の会 ポプラの会

会長 星川 佳

成長ホルモンや甲状腺ホルモンの異常、染色体の異常などのために、身長が伸びにくくなる「低身長症」は1000人に1人発生すると言われています。ポプラの会は、「成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)」を中心とした低身長症の患者さんと家族の会です。「親の会」としてスタートしましたが、結成二十数年を経て、成長した患者自身が「青年部」として独自の活動を展開していることが特徴です。

活動の状況

薬不足解消をめざして結成された「ポプラの会」

「1975年、日本の成長障がいのある子どもたちにも、ようやく成長ホルモン治療が開始されました。しかし、成長ホルモン剤が日本になく慢性的な薬不足が続いていたので、輸入促進や国内での成長ホルモン剤の開発・製造を行政当局に働きかける運動をしていこうと、1978年7月「下垂体性小人症友の会」が結成されました。その後、「下垂体性小人症」から「成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)」へと病名が変わり、1985年には、遺伝子工学による合成成長ホルモン剤が使用されるようになりました。

1994年には、青空に向かってまっすぐに伸び、地面にしっかり根を張るポプラの木のようにひとりひとりの患者が心身共に大きく育ち、しっかりと自立してほしいとの願いを込めて「ポプラの会(低身長児・者友の会)」と名称を変更しました。1998年には、「財政構造改革」の一環として改正された成長ホルモン適用基準に反対して、全国小人症連絡会とともに6万人の署名を集め、厚生労働省に働きかけるなどの運動を行ってきました。

成長した患者が運営する「青年部」

ポプラの会の会員数は約100人で、活動内容は、機関誌の発行、講演会・勉強会・交流会などの開催です。機関誌は年4回発行で、医療面の情報と、行政関係の報告、患者自身の感想などを掲載しています。新加入した会員には、低身長症について解説した書籍を配布し、また、新会員のために必ず1年に1回、成長ホルモン分野の専門家の講演会を開催しています。

低身長症は、性腺ホルモンやその他のホルモンの分泌不全、低下を伴う人も多く、その場合、第二次性徴治療が必要となります。また、各種ホルモンの不足のために、疲れやすくストレスに弱いなどの傾向があり、内臓疾患や心疾患、尿崩症、視力障害を伴うケースがあります。そのため各分野の専門家を招いて勉強会を開いています。医師を囲んでじっくり相談することができる個人相談会も好評です。

そして、ポプラの会の大きな特徴は、患者自身が主体的に活動する青年部があること。小児症の患者会の多くは、親が中心となって活動していますが、成長するにつれて、患者自身でなければわからないことや、親の考えと患者の考えの違いが出てきます。そこで、ポプラの会では、本人の自立をめざして、中学生から成人までが参加する青年部(愛称パル)を作り、独自に活動しています。

「薬が決まっているから、それで多くの人が治っているから、患者会の情報は必要ない」という意見もときにありますが、だんだん親にわからない悩みや、親には言えない悩みが出てきます。10年前に青年部からの提案で、性の問題について講演会を企画したときは、親御さんからは反対されましたが、患者さんは多数集まりました。患者自身にとっては、患者会、特に青年部のような、同じ悩みをもつ人たちとの集まりは必要だと私は考えています。

これからの「ポプラの会」の課題

背が高いことがもてはやされる時代の風潮からか、低身長症は誤解や偏見をもたれやすく、最近の親御さんは特にイジメの対象にならないようにという苦労が大きいようです。

これは、昔と大きく違う点です。ただ背を伸ばすということだけではなく、人とのコミュニケーションの在り方などを学ぶことも、患者会としてテーマだと思っています。患者自身が病気と真正面に向かい合い、病気をハンディと考えず、個性としてプラスに評価していくことが必要だと思います。

また、支部がなく、交流会や勉強会も東京に集中するので、支部を作り、地方でも活動することが今後の課題です。直接、医師の話を聞いて悩みを相談する、みんなと語り合ってホッとする、そんな機会を地方にも広げていきたいのです。そして、ホームページなども作って、多くの人々にポプラの会のことをもっと知らせていきたいと考えています。

組織の概要

■創立:1978年7月 設立
■役員:7名
■会員数:約100名